読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

hold harmless and indemnify...

会計ムラのぱんぴー。

ベイカレント<6532> 減損テスト結果の開示

www.baycurrent.co.jp

 

上場直後に社長が辞任したことで話題になっていましたが、IFRS適用会社だったのですね。しかも、子会社が無いとのことで、事実上単体財務諸表にIFRS適用なのですね。通常、IFRS財務諸表は上場企業の連結財務諸表のみに適用できる(単体は国税庁の反対で引き続き日本基準を強制)ということだったと思うのですが、どういう整理になっているのでしょうか。単に勝手開示ですかね?

 

この会社、資産の過半はのれん(約200億円)で、これを長期借入と純資産でファイナンスするという何ともファンキーなB/Sとなっています。(こんなにのれんがあると、確かに日本基準は避けたいでしょうね。)

 

となると、当然のれんの評価に注目が集まりますが、そののれんの減損テストの結果について開示されています。

 

IFRS(IAS36号)では、少なくとも年に1度、一定の時期に、のれんやその他の耐用年数のない無形資産の金額評価の見直し(いわゆる「減損テスト」)を行うことが求められています。また、のれんに評価減の兆候がある場合には、その都度、減損テストを行うことを求めています。

今回の減損テスト結果の開示は、のれんに評価減の兆候があったことに伴うもので、先日の前社長退任時にあわせて開示された業績予想の下方修正が、のれん評価減の兆候とされています。

 

さてIFRSののれんですが、Cash Generating Unit(資金生成単位)という単位ごとに金額が設定されています。資金生成単位とは、ざっくりいって社内の事業部のようなものです。その事業部の価値が当初前提よりも下がっていれば、その下がった分だけ(のれん計上額が上限)損失を計上するのがのれん減損です。

 

会計用語で書き直すと、Value in Use(使用価値)とFair Value less cost to sell(売却コスト控除後の公正価値)の大きいほう(=Recoverable amount)と、計上されているのれんの簿価を比べて、のれんの簿価がこの再測定した価値より大きければ、その再測定価値(通常は使用価値を採用)まで評価を切り下げて、減損損失を計上します。

*話題の東芝さんの減損は、あちらはUSGAAPで会計基準が違うため、若干減損損失の計上の方法論が異なります。(USGAAPはPPAをやり直すことで減損損失を計上する。)

 

今回のベイカレントさんのケースでは、3つの資金生成単位にのれんを振っていて、どの資金生成単位の使用価値も現在の簿価を上回っていることから、減損損失は発生しないということのようです。

のれんの発生要因となった吸収合併が2014年と少し先で、それ以降に企業規模を拡大したことを考えれば、当時の前提条件を毀損する(減損損失が発生する)可能性は通常よりも小さいのかもしれません。

 

業界フィールド的には、IBMアクセンチュアと近い(大半がIT関連のコンサル案件?)ようにみえますが、伍して戦っているようで凄いですね。

 

裏返すと、伍して戦えなくなったときには、のれんの減損が一気に起こって、コベナンツも引っかかって、債務超過上場廃止ですかね。

 

*あくまで個人の見解です。内容は的確であることに努めていますが、その正確性や特定の目的適合性を含め何ら保証するものではありません。プロフェッショナルのアドバイスをもとにご判断ください。