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hold harmless and indemnify...

会計ムラのぱんぴー。

管理部門担当の執行役員による会社資金の不正流用 - ウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社(96100)

ウィルソン・ラーニング ワールドワイド株式会社(96100)から、過日に開示された管理部門担当の執行役員による会社資金の不正流用事案について、報告書が開示されています。

同社のIRサイト:
http://www.wilsonlearning.com/wlw/ir

 

…厳しい言い方かもしれませんが、報告書からは脆弱な統制環境や経営者による内部統制の無効化が起こっていた(経営者の方々にとってはそもそも「内部統制」とは何ぞや、という状況かもしれません。)がうかがわれ、起こるべくして起きた事案のように思われます。

 

報告書中では、以下のような統制環境の不備に言及されています。

  • 基本的な職務分担がなされていない
  • 経理担当社員の退職後も後任が採用されないなど、必要人員を大幅に下回る状況での決算報告
  • 経理規定が運用されていない
  • 内部監査が行われていない

多額の仮払・小口現金(貸方)残高があることを不審に思った経理担当者が、常勤監査役に事情を話しており(この時点では不正とは断定されていない)、常勤監査役から該当役員に適時に精算するよう求めていたようです。その後、会計監査人による実査手続きを契機に、隠し通すことは困難と観念した該当者から不正が申告されたとか。

 

本日開示された調査委員会(社外取締役+弁護士+執行役員)による報告書では、あえて一節を設けて監査法人の責任について、以下のような記載が見られます。前提となる規範が何なのか報告書からうかがい知ることはできませんが、本来企業の経営者が責任を負う自社のコンプライアンスについて、このように社外の利害関係者、特に監査法人に言及をしてしまうあたりが、古典的な不正が発生してしまうような貧弱な統制環境を物語っているように思います。(二重責任の原則なんて知るか!と。。)監査人のあずささんにとっては、こんな危ない企業にも関わらずこれまで対応してきたというのに、、といったところでしょうか。。

3. 監査法人の責任
監査法人からは、決算手続に時間がかかり過ぎていることを理由として、経理部門の人員を増員するように当社に対して要請が行われていた事実は認められるものの、経理部門において内部牽制が機能していない旨の指摘はなかったものと認められる。
Aによる経理処理上の隠ぺい工作に加えて、金額的な意味での重要性等を鑑みるならば、監査法人の責任を問うことは困難であると言わざるを得ないが、専門家である監査法人から経理部門において内部牽制が機能していない旨の指摘がなされなかったことが本件発覚を遅らせた要因の一つとなっていることは否めない。