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hold harmless and indemnify...

会計ムラのぱんぴー。

東芝子会社WHの米連邦破産法申請ー非継続事業(discontinued operation)

jp.reuters.com

当事者の方には申し訳ありませんが、外野で見ている分には、東芝さんはUSGAAPのレアな論点をいろいろと提供してくれて、とても興味深いです。

結局、reporting unitのcarrying amountがnegativeなときののれんの減損テスト(ASC350-20に規定あり)について、記事を掛けずじまいになっています。。

 

すこし前から気になっていたのですが、東芝さんは海外原子力事業はもうやめると発表しており、機関決定も(おそらく)されているでしょうから、非継続事業の開示があるのではないかとワクワクしていました。

日本のローカル会計基準では適用されていないのですが、USGAAPやIFRSでは、その会社の事業のうち「もうやめる」と決めたものについては、特別な開示が要求されています。

例えば「もうやめる」と決めた事業については、その他の「これからも続ける」事業とば財務情報を分けて表示しなければならないですし、「もうやめる」と決めた時点で「もうやめる」事業の資産価値を再評価したりする必要があります。

 

IFRS適用であれば、IFRS 5号に同様の定めがあるため、これからも日本の企業でも開示されることがあるかもしれませんが、今や東芝キヤノン、、と数少なくなったUSGAAPでは、非継続事業の開示はこれで見納めになるかもしれません。

 

海外原子力事業を「もうやめる」というのはしばらく前から報道されており、仮にWHが連邦破産法の申請をしていなかったとしても、非継続事業として開示されていた可能性が高いと思いますが、いずれにしてもどういった開示になるのか、いまからとても興味深いです。6月の楽しみが1つ増えました。

電通(4324) 内部統制の不備

www.dentsu.co.jp

電通さんですが、先週末内部統制の不備の開示をしています。てっきり、トヨタさんに対する実際には行っていない広告の対価の請求に絡んだ件かと思っていたのですが、どうやらまた別の新しい件のようで、7-9月期に買収した米国企業の評価で不備があったとのこと。

 

不備の内容ですが、企業結合にあたって買収先会社の資産負債の公正価値評価(電通さんはIFRS)を行う際に、負債の価値を大きく算定することで、利益剰余金を過少に報告していたとのことです。

内容だけを読むと、負債の価値の過大評価であれば、内部統制の不備まで言わんでもいいような気もしますが、会計監査人のトーマツさんは次期不選任が決まっており、最後に膿を出しに行ったのでしょうか。決算短信の段階ではこの件に言及されていない(見落としがあったらすみません。)ことも気になります。

 

ところで、指摘の対象となった買収案件(Merkle社)ですが、支払対価のうち純資産が占める割合が非常に小さく、大半が無形・のれんに配分されています(約1,000億円)。

なんだか嫌な感じがする適時開示ですね。。

 

東亜道路工業<1882> 社外取締役の弁護士の辞任

東亜道路工業株式会社 社外取締役辞任に関するお知らせ

 

みずほ銀行暴力団融資事件で調査委員を務めた、社外取締役の弁護士の方が辞任された旨、適時開示がされています。率直なところ、尋常ではない適時開示との印象を受けますが、何があったのでしょうか。

 

すこし調べてみますと、談合摘発でリニエンシーを適用されたり、従業員による不正や不適切な会計処理など、いろいろと盛りだくさんの会社のようですが、このタイミングになったのは、何がきかっけだったのでしょうか。

新リース基準 短期リース

www.itmedia.co.jp

新リース基準でも、12か月未満の短期リース資産はUSGAAP/IFRS共にオフバラ処理が認められることになっています。(会計方針の選択の問題。)

通常のオフィスの賃貸借契約であれば、6か月前の予告でいつでも解約可能になっているかと思いますが、会計上のリース期間は、この解約通知から実際の解約までの期間の6か月と評価され、引き続きオフバラ処理が許容されるケースが多いものと思います。

 

この新基準で影響を受けるのは貸し手ではなく借り手の処理ですが、上記のように不動産賃貸借については、この短期リースの例外を適用できる可能性がかなりあるのでは、と思います。結局は監査法人との調整にはなりますが。

有給休暇引当金 USGAAP/IFRS

 

IFRS財務諸表への組替仕訳ハンドブック

IFRS財務諸表への組替仕訳ハンドブック

 

 

この方は本当にたくさんの本を出されますね。US.GAAPの辞書本で有名な長谷川さん(トーマツの元パートナー)が出された、日→IFRSの組み替え仕訳ハンドブックなるものがあり、書店で立ち読みしていました。

 

(長谷川さんの本はいつもそうですが)かなり実務的な本で、仕訳レベルで日→IFRSへの組み替え仕訳が列挙されています。日本基準からIFRSへ移行される会社の連結経理の方や、親会社がIFRSへ移行した子会社・孫会社の経理の方に、非常に役立つ内容と思います。

 

内容をざっと読んでいて気づかされたのですが、IFRSでも有給休暇引当金の計上ってするんですね。有給休暇引当金というとUSGAAPのハナシというイメージがあったのですが、IFRSsでもIAS19号に規定があり(勉強不足ですね。。)、有給休暇引当金の計上が求められています。

 

一般的には、以下の方法で有給休暇引当金を計算します。

 

①有給休暇の消化率を求める

日本においては、労働基準法において被雇用者に付与すべき有給休暇の日数が定められており、また、法定の有給休暇を取得する権利は2年間有効であるものとされています。

↓大阪労働局による解説。

(第39条)年次有給休暇 | 大阪労働局

 

一般的には、この付与されてから2年間の有効期間内にどれだけの日数が消化されたかによって、消化率を測定します。

 

例:従業員100名の企業が、2015年1月1日に、全社員に20日の有給休暇を付与し、2016年12月31日までに、そのうち1500日が消化された。

 

有給休暇消化率 = 有給休暇取得日数(A) ÷ 有給休暇付与日数(B)

 

有給休暇取得日数(A)= 1,500日

有給休暇付与日数(B)= 100名 × 20日 = 2,000日

 

有給休暇消化率(A÷B)= 1,500日 ÷ 2,000日 = 75.0%

 

より単純に2016年の総付与日数と、2016年の総取得日数で有給休暇消化率を計算する方法もありますが(「上場企業有給休暇取得率ランキング!」みたいなものは、この方法。)、IFRSでは、消化率の算定方法として、この手法は想定していないような気が個人的にはしています。(IAS19号BC26項)

 

②今年の有給休暇付与日数を求める

消化率さえ求めることができれば、2017年に付与される有給休暇の総日数を計算します。実務的には、人事部門へのデータ要求をせねばならず、こうしたデータの管理は得てしていい加減になっていたりして、この作業が最も大変かもしれません。

 

③消化率と付与日数を掛けて、見込み消化日数を計算する。

これで、①消化率と②有給休暇付与日数がわかりましたので、当年度の有給付与に対して引当金を立てるべき日数、つまり見込み消化日数を計算します。

 

例:消化率=75%、当年度有給休暇付与日数=2,200日の場合

 

見込み消化日数 = 消化率 × 当年度有給休暇付与日数

        = 75% × 2,200日 = 1,650日

 

④引当金の金額を計算する

見込み消化日数がわかれば、あとはその見込み消化日数に平均日給の金額を掛けて、有給休暇引当金の計上額を計算します。

 

例:見込み消化日数=1,650日、平均日給=20,000円

 

有給休暇引当金 = 見込み消化日数 × 平均日給

        = 1,650日 × 20,000円 = 33百万円

 

⑤計上時の仕訳

あとは実際に仕訳として計上するだけです。

人件費 33百万円 / 有給休暇引当金 33百万円

 

 

その後は、実務的に可能な頻度で洗い替えていくことになろうかと思います。

(同じ長谷川さんの以下の本に、有給休暇引当金についてのもう少し細かい説明があります。)

米国財務会計基準の実務(第9版)

米国財務会計基準の実務(第9版)

 

 

 

有給休暇というと、昨今のブラック労働ニュースと紐付けられて理解されるケースが多いかと思いますが、IFRS/USGAAPの適用で有給休暇引当金の計上を会計的に求められたとしても、実際の有給休暇の取得が進むとは考えずらいと思います。

むしろ、1日1日の有給休暇取得が会計上の費用として認識されるため、有給休暇を取得しなければその分費用計上をしなくてすむ(または、引当金計上後の戻り益を期待できる)こととなり、有給休暇の取得推進の観点では、ネガティブな影響があるかもしれません。

 

東芝:GC注記が付いた場合ののれんや無形資産の評価って?

diamond.jp

やはり東芝さんは厳しい情勢ですね。債務超過は避けられないとなると、四半期報告書にはGC注記が付くことになるのでしょうか。

 

ちょっとUSGAAPを整理しきれていないのですが、GC注記が付いたときにインカム・アプローチで評価した資産の取り扱いをどうするのか気になっています。おおむね5年先までの計画をもとにのれんや無形資産が評価されているかと思いますが、GC注記が付くことで、そもそも5年先に会社が存続しているかどうかわからないと企業自身が表明することになって、のれんや無形資産の金額決定の前提となる計画が無意味なものであると評価されるおそれがあるような気がします。

 

ちらっと記者会見とその後の質疑応答を見ましたが、平田CFOの受け答えを見ると引き続きDCFで評価しているものがある(ただやはり、WACCは上げている模様。)ようです。ランディス・ギアののれんやその他ののれんの再評価やPPAで発生した無形資産で減損を計上することは、WACC上昇やブランドイメージ低下に伴う事業環境の悪化を踏まえるともはや不可避だと思いますが、その額がどの程度になるのか、フォローしていきたいと思います。

ベイカレント<6532> 減損テスト結果の開示

www.baycurrent.co.jp

 

上場直後に社長が辞任したことで話題になっていましたが、IFRS適用会社だったのですね。しかも、子会社が無いとのことで、事実上単体財務諸表にIFRS適用なのですね。通常、IFRS財務諸表は上場企業の連結財務諸表のみに適用できる(単体は国税庁の反対で引き続き日本基準を強制)ということだったと思うのですが、どういう整理になっているのでしょうか。単に勝手開示ですかね?

 

この会社、資産の過半はのれん(約200億円)で、これを長期借入と純資産でファイナンスするという何ともファンキーなB/Sとなっています。(こんなにのれんがあると、確かに日本基準は避けたいでしょうね。)

 

となると、当然のれんの評価に注目が集まりますが、そののれんの減損テストの結果について開示されています。

 

IFRS(IAS36号)では、少なくとも年に1度、一定の時期に、のれんやその他の耐用年数のない無形資産の金額評価の見直し(いわゆる「減損テスト」)を行うことが求められています。また、のれんに評価減の兆候がある場合には、その都度、減損テストを行うことを求めています。

今回の減損テスト結果の開示は、のれんに評価減の兆候があったことに伴うもので、先日の前社長退任時にあわせて開示された業績予想の下方修正が、のれん評価減の兆候とされています。

 

さてIFRSののれんですが、Cash Generating Unit(資金生成単位)という単位ごとに金額が設定されています。資金生成単位とは、ざっくりいって社内の事業部のようなものです。その事業部の価値が当初前提よりも下がっていれば、その下がった分だけ(のれん計上額が上限)損失を計上するのがのれん減損です。

 

会計用語で書き直すと、Value in Use(使用価値)とFair Value less cost to sell(売却コスト控除後の公正価値)の大きいほう(=Recoverable amount)と、計上されているのれんの簿価を比べて、のれんの簿価がこの再測定した価値より大きければ、その再測定価値(通常は使用価値を採用)まで評価を切り下げて、減損損失を計上します。

*話題の東芝さんの減損は、あちらはUSGAAPで会計基準が違うため、若干減損損失の計上の方法論が異なります。(USGAAPはPPAをやり直すことで減損損失を計上する。)

 

今回のベイカレントさんのケースでは、3つの資金生成単位にのれんを振っていて、どの資金生成単位の使用価値も現在の簿価を上回っていることから、減損損失は発生しないということのようです。

のれんの発生要因となった吸収合併が2014年と少し先で、それ以降に企業規模を拡大したことを考えれば、当時の前提条件を毀損する(減損損失が発生する)可能性は通常よりも小さいのかもしれません。

 

業界フィールド的には、IBMアクセンチュアと近い(大半がIT関連のコンサル案件?)ようにみえますが、伍して戦っているようで凄いですね。

 

裏返すと、伍して戦えなくなったときには、のれんの減損が一気に起こって、コベナンツも引っかかって、債務超過上場廃止ですかね。

 

*あくまで個人の見解です。内容は的確であることに努めていますが、その正確性や特定の目的適合性を含め何ら保証するものではありません。プロフェッショナルのアドバイスをもとにご判断ください。